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書籍 評論・読み物

フリッツ・クライスラー 変幻自在なヴァイオリニスト

マティアス・シュミット 著/畑野小百合

定価
2,970円 (本体2,700円+税)
判型・頁数
4-6・256頁
発行年月
2025年10月
ISBNコード
9784276215351
商品コード
215350

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内容紹介

20世紀を代表するヴァイオリニスト・作曲家、フリッツ・クライスラー(1875–1962)。比類ない音色で世界中の聴衆を魅了し、《愛の喜び》《美しきロスマリン》などの楽曲は、クラシック界を超えて愛され続けている。
本書は、近年のクライスラー研究の集大成といえる。生前に刊行された評伝では、クライスラー夫妻によって情報が選別され、多くの事実が伝えられていなかった。
「変わりゆく世界情勢の中で、真偽の不確かな逸話を振りまいたり、ユダヤの出自をカムフラージュしたりしながら、彼は飄々と世界を渡り歩いていった。いかにしてそれは可能であったのか。その陰で、彼は何に直面し、どのように変化しなくてはならなかったのか。本書では、数多くの一次資料や同時代人たちの証言を通して、その実態が明かされる。」(「訳者あとがき」より)

目次

日本の読者の皆様へ
はじめに

1. 芸術作品としての生涯
語ること/思い起こすこと

2.伝統の寄せ集め(1875–1905)
可能性感覚/創られた伝記/神童/教育/自身の方向性を求めて/スタイルの確立/カデンツァ

3.入念な計画と自由な精神(1905–1914)
独自性/『知られざる古典作品集 Klassische Manuskripte』/新たな至芸/「かつてのウィーン」の音楽?/ベートーヴェン

4. ドラマと魅力(1914–1930)
現実の崩壊/メディア戦争/皇帝讃歌/スターの社会貢献/映画とレコード/時代精神の変化とモーツァルト作品の演奏

5. 秘めたユダヤ性(1930–1942)
ユダヤ的アイデンティティ?/ルーツ/《シシィ》の戦略/距離を置くことの難しさ/攻撃/《愛の悲しみ》/特性のある男?

6.ありえないことの現前(1942–1962) 
クライスラーの佇まい/ブラームス/ラジオ/メンデルスゾーンとその他の作曲家/「ウールとシルクとコットンとビロード」

謝辞

[特別寄稿]クライスラーと、音楽の喜びを 竹内英美子
クライスラーの録音/クライスラーの作品 /日本におけるクライスラー/おわりに

訳者あとがき


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参考文献
年譜
図版出典
人名索引