目からウロコの就活術・キャリアQ&A


フリーで浄書や楽譜制作の仕事をするには?

楽譜に興味があり、大学院に通いながら(専攻は音楽教育)趣味で楽譜制作をしています。楽譜出版社や浄書・楽譜制作会社からフリーで仕事をもらえるようになるには、どのようなスキルが必要になりますか? 「finale」や「InDesign」は一通り使いこなせます。

(大学院1年:poco)

まずは業界での評価を高め、人脈作りを

 これは何も音楽関連の業界に限ったことではありませんが、強力なコネがあったり、自分にしかできない技術があるなど、よほどのことがない限り、大学(院)卒業後すぐにフリーで仕事がもらえるほど世の中は甘くありません。少ない仕事を多くのフリーで奪い合っているのが実情です。
 「finale」やAdobe「InDesign」が一通り使いこなせるとのことですが、その程度の人はいくらでもいると思ってください。おそらく、楽譜出版社や浄書・楽譜制作会社からフリーで仕事をもらえ、それで“自立”できている人はほんの僅かです。特に「出版不況」といわれて久しくなっており、よりその傾向は強まっていると考えられます。

 フリーランスを目指して卒業すると、同じフリーでもフリー(無収入)になってしまう恐れが大きいと思います。可能であれば、まずは楽譜出版社や浄書・楽譜制作会社に関連する企業に新卒あるいは転職で勤務して、その業界での評価を高め、人脈も築いてからでも遅くないのではないでしょうか。
 ただ新卒採用は少ないので、他の業界に勤務して社会経験を積んだり営業力や企画力を磨いたりした後に転職するのもひとつの考え方です。

(2017.7.28)

音楽教室講師を経験するメリット

音大3年生です。現在、自宅で近所に住む子ども3人にピアノを教えていているのですが、すごくやりがいがあり卒業後はピアノの先生になりたいと思ってます。大内先生の『「音楽教室の経営」塾』を読んで非常に勉強になったのですが、ちょっと悩み始めてしまいました。卒業後、そのまま自宅で教室を開くつもりでいたのですが、大手音楽教室の講師も経験しておいたほうがいいような気もしてきました。講師をやるメリットを教えてください。

(音楽学部3年:キャロット)

音大では学べないさまざまなスキルが身に付く

 私の本をお読みいただきありがとうございます。現役の音大生に読んでいただけるのは、音大で「音楽教室経営論」の授業の必要性を感じている私にとってはとても心強い援軍です。この本を手に取った方がここに書かれている経営的思考を身に付け、生徒が集まる音楽教室作りを行っていただきたいと願っています。

 さて、大手の音楽教室などで「講師をやるメリット」ですが、ズバリ、「音大では学べなかったさまざまなスキルが身に付く」ことだと思います。幼児や大人への指導法、生徒の管理方法、教室の運営方法などはどれも音大で学ぶ機会が乏しいのが一般的です。また優れた指導者が身近にいますから、そのような先生方を手本に指導術を学べるのも大きなメリットだと思います。
 一般に大手音楽教室でも、最初から生徒を多く持つことは難しく、講師だけで生活費を確保するのはなかなか大変なようですが、質問者さんの場合は自宅でも教えられるので、それはむしろ好都合ではないでしょうか。講師をやりながら、空いている時間に自宅でも教えることができます。自宅と講師を両立させることでさまざまな経験を積み、それを将来の自宅音楽教室経営に活かせるといいですね。
 今、自宅で3人教えているとのことですが、自立して自分の生活費を賄うのであれば『「音楽教室の経営」塾』のP.126にてお示ししているように、30人くらいの生徒数を目指したいところです。

 講師経験を積むことで生徒や親御さんとのコミュニケーションもうまくなり、それが生徒から口コミで伝わると自宅音楽教室の生徒集めにも大いに役立ちます。
 ぜひ頑張ってください。

(2017.6.22)

音大では先生を選べる?

オープンキャンパスで出会った先生に4年間みっちり習ってみたいと思い、ある音大を目指しています。入学後、レッスンで教わる先生は選べるものなのでしょうか。

(高校3年:ドラミ)

オープンキャンパスなどで相談を

 このあたりは音大によっても、また先生によっても違いがあるようです。
 一般的には、外国からお招きした先生や有名な先生の場合は、希望者も多く、そう簡単にその先生に習うことはできないようです。
 一方で、オープンキャンパスなどで自分が学びたい先生を紹介してもらい、合格したらそのままその先生に習っているケースもあるようです。オープンキャンパスでは、入試相談コーナーや総合相談コーナーがあると思いますので、次のオープンキャンパスで具体的な先生名をお出しして、率直に相談してみてはいかがでしょうか。

(2017.5.22)

オーケストラ団員になるには?

ヴァイオリンで音大入学を目指しています。将来は、オーケストラに入団していろんな作曲家の曲を演奏したいと思っています。今のところ留学などは考えていないのですが、音大に入ったあと、どのような活動をすればいいですか。教えてください。

(高校2年:カッシー)

パートごとに募集→オーディション

 ぜひ音大に入学してオケマン(ウーマン?)になってください。オーケストラであれば、いろいろな作曲家の曲を演奏できると思いますよ。ただ、このご質問は、音大卒ではない私にとっては難問です(笑)。詳しくは、音大入学後に師事する先生などに聞いたほうがいいと思いますが、オケのオーディションに合格したと報告に来てくれる卒業生からのお話や、大学に送られてくるオケの楽団員募集要項などからわかる範囲でのお答えとなる旨ご了承ください。

 さて、プロのオーケストラには、ごく一部スカウトや紹介で入る人もいますが、ほとんどはオーディションを受け合格しなければなりません。音楽大学には毎日のようにオーケストラ・パートの募集が来ています。ほとんどがパートごとで、「フルート2番奏者」「トランペット(首席)奏者」といった具合です。ヴァイオリンは、コンサートマスター、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリンなどの募集がありますが、第一、第二を区別せず、「ヴァイオリン奏者(tutti)で募集することもあります。手元に某有名交響楽団の募集要項がありますが、「ヴァイオリン(tutti)奏者募集 若干名」となっています。書類選考、第一次審査、第二次審査が行われるようです。
 このクラスの楽団になると、他のプロのオケの楽団員が応募してくることもあるようですし、都内のオケは競争率が高いので、地方のオケを積極的に応募する人も多くいます。もちろん交通費は自費ですので、経済的には結構大変です。それでも地方のオケに入れれば、そこで活動している中で実力をつけ東京の有名オケへの道も近づきます。このように厳しい世界ですから、音大を出てすぐ希望の楽団に入るには、かなりの実力が必要になります。

(2017.4.7)

調律師になるには?

2016年本屋大賞の『羊と鋼の森』を読んで、調律師という職業に興味を持ちました。現在ピアノ科1年生なのですが、うちの音大には調律師になるためのコースがありません。どうすればなれるのでしょうか。

(音大1年:さまよい人)

資格は絶対条件ではありません

 私は『羊と鋼の森』はまだ読んでいませんが、『ピアノのムシ』という漫画は愛読しています(笑)。同じ調律師でも実力の差は大きいようで、まさに実力の世界、といった感じですね。さすがに主人公・蛭田敦士のように、昼からお酒を飲みながら調律をする人はいないかもしれませんが、調律師の方から話を聞く限り、実力がないと生きていくのが難しい世界であることは間違いないようです。
 また、必ずしもピアノ専攻が有利、というわけではありませんので、その点は注意が必要です。私の中学時代の後輩に、ショパンコンクールで調律を行っている凄腕の調律師がいますが、音大での専攻はトロンボーンでした。調律師は演奏家ではなく、あくまで技術者です。時々就職課に来る学生で、調律師になって「いろいろなピアノを弾きたい」という学生がいますが、そのような意識で調律師になると後で大きな誤解に気付くことになりそうです。
 なお、調律師には国家検定であるピアノ調律技能士試験がありますが、医師や弁護士資格とは異なり資格がなくても調律師にはなれます。ですから極端に言えば音大卒業後、個人ですぐ調律師となることができます。ただそれでは技術もなく、お客が付くとは思えませんので、一般的には音大卒業後に調律学校に通い、ピアノ調律技能士(1〜3級)資格を取得して楽器店やピアノ製造会社(メーカー)に調律師として入社する場合が多いようです。
 楽器店やメーカーで働いた後、実力と自信がある人は、独立して自分で調律の会社をつくる道もあるようですが、最近はピアノよりは電子ピアノの方が売れている時代ですから、よほど技術や営業力に自信がないと難しそうです。

(2017.4.7)

短大卒の40代。音大入学を目指したい

40代の専業主婦です。高3までピアノを習い音大を目指そうと考えた時期もあったのですが、家計の事情で一般の短大に通い、就職して25歳で結婚退社。以来、専業主婦として暮らしてきましたが、子育てが一段落したのでこれから勉強しなおし、音大入学を目指そうと思っています。短大を卒業しているので、3年次編入試験(?)で入学できるものなのでしょうか。音楽を学びたい場合は1年生から入るべきなのでしょうか。

(40代主婦:YK)

3年次編入可能な大学も。個人的には…

 3年次編入試験は個別性が強いので、志望する大学に確認することをお勧めします。短大卒資格があれば3年次に編入できる場合もありますし、出身の短大が音楽短大やそれに準じる大学であることを求める大学もあるようです。
 あと、音大はピアノさえできればいいかというとそうではありません。語学や音楽史、音楽理論など、1、2年で学んだ基礎がないとかえって苦労することにもなりかねません。その点も併せて大学でアドバイスを受けてはいかがでしょう。
 個人的にはせっかく音大で学ぶのであれば、4年間みっちり音楽を学んだ方が実りは大きい気がします。ただ四大卒の肩書きが欲しい、学費が2年分しかない、というのであれば2年で卒業できる大学を探すといいでしょう。
 最近は、年配の大学(院)生を数多く見かけます。30代、40代の学生は普通にいますし、中には70代の方も! 私の大学では全員に進路希望の面談を行っていますが、私より年上の大学(院)生の希望進路をうかがう際は、こちらの方が緊張してしまうことがあります。

(2017.2.21)

学校の吹奏楽部の先生になるには?

吹奏楽部でトランペットを吹いています。将来、学校の音楽の先生になって吹奏楽部の指導ができればいいなと思っているのですが、どうすればなれるのでしょうか。

(中学3年:ファンファーレ師匠)

大学の教職課程を履修し採用試験受験を

 すてきな将来像ですね! ぜひその未来に向けてがんばってください。吹奏楽指導の先生にはピアノや声楽出身の先生もいますが、多くは管打楽器専攻の先生方です。ぜひ今のトランペットをしっかり学び、音楽大学や国公立大学の音楽学科で専攻するといいと思います。
 バンドトレーナーなどの立場で吹奏楽部に関わる場合は特に資格は必要ありませんが、よほどトレーナーとしての実力がないと指導依頼がきませんので、収入面で不安定になる場合があります。できれば学校の「音楽の先生」として吹奏楽指導にあたる方向で考えてみてはいかがでしょう? ただ、先生になるのは結構大変です。小学校や中学校の先生とは、いつも接しているので身近に感じると思いますが、その試験はなかなか難しいんですよ。それに合格しなければなりません。  そして、受験するには教員免許が必要で、大学で教職課程を履修し終える必要があります。まだ先の話ですが、大学を受験する際、その大学で取得可能な教員免許は何か、よく確認してくださいね。国立大学は小中高校の免許が取れる大学が多いようですが、私立大学では中高のみの場合もあります。
 この教員免許を持っていると、公立も私立も教員採用試験を受けることができます。公立は都道府県、政令指定都市(大阪市や横浜市などの大都市)単位で実施され、私立は個別の学校ごとに試験が実施されます。
 私立は最近の少子化で専任の音楽教員は減少傾向にあり採用試験はとても厳しいようで、都内ですと普通に50倍や100倍になるようです。公立学校の採用試験は毎年1回で、一次試験、二次試験があります。競争倍率ですが、東京都の公立学校教員採用試験の場合で27年度実施分は、中学・高校共通で8.3倍、小・中学共通4.7倍でした。

(2017.1.11)

オペラ歌手になるには?

オペラ歌手に憧れていて、音大の声楽科を目指しています。主役級でなくてもいいので、オペラの舞台に立って活躍できるようになるには、どうすればいいのでしょうか?

(高校1年:JKカルメン)

音大で上位成績を収め、コンクール出場を

 まだ高校生なので、これからどんどん才能が花開く可能性があります。「主役級でなくてもいい」などと言わず、「最初は出番が少ない役でも、将来的には大きな役をやってみたい」、と夢は大きく持ちましょう。
 さて、ではその主役のなり方です。
 各音楽大学ではオープンキャンパスや声楽クリニックなどのイベントが開催されていますから、そこでのレッスンを申し込み、「自分はオペラ歌手になって主役を張りたい」という意欲をぶつけてみましょう。その気持ちに最も積極的に応えてくれた先生に習ってみてはいかがでしょうか? なるべく早くから専門的に習う、出場できるコンクールにはできるだけ出場して成果を挙げ早くから注目される、ということが主役の道への近道ではないかと思います。
 私は音楽を専門に習ったことはありませんので専門的なアドバイスはできませんが、オペラ歌手の経歴を見ていると、ほとんどは音楽大学、大学院を出て海外留学して研鑽を積んでいます。また、国際的なコンクールでの上位実績がない主役級のオペラ歌手はほとんどいません。
 今はまだ高1なので、留学までは考えなくてもいいでしょうが、ゴールイメージとして主役級のオペラ歌手を思い描きつつも、まずはその登竜門である音楽大学入学、そこでの上位成績を狙うことが大切だと思います。
 なお、音大に入学し、プロになるにはやはりある程度のおカネが掛かります。保護者の方に自分の気持ちをしっかり伝え、経済的な支援をお願いすることも大切です。

(2016.11.15)

ピアノ教室を開きたいのですが…

自宅でピアノ教室を開きたいと思っているのですが、生まれ育った地ではないために知り合いはほとんどいませんし、ツテもありません。どのような方法で生徒さんを集めたらよいのか教えてください。

(音楽学部4年:むってぃ)

経営について学びましょう

 なかなか難しい質問です。これでみなさん苦しんでいます。ひとつ言えるのは、私の大学に限らず、多くの音大で教えていないことですが、次のことをしっかり学んでおく必要があると思います。
 マーケティング、競争戦略、会計学、税金の知識……等々です。
 ピアノ教室を“音楽関係の仕事”としてとらえるとまずうまくいきません。ビジネス=新規事業ととらえ、自分がアントレプレナー(起業家)としてどういう立ち位置でピアノ教室を“経営”するか、という観点が大切です。ターゲット顧客、提供する商品やサービス、他のピアノ教室と差別化できるノウハウ、の3点を徹底的に考え抜くことです。経営者としての心構えがないと、多くの場合うまくいきません。
 ピアノ教室もひとつの中小企業。中小企業としての経営戦略が必要です。その際の考え方については、『目からウロコの就活術』p.172−178が参考になると思います。

(2016.10.11)

小6でソナチネ。ピアノの先生になるには?

子どもが「ピアノの先生になりたい」と言っているのですが、際立った才能があるわけではなく特に努力もしていません。小6でソナチネに入ったのですが1カ月たっても先に進みません。どの位のレベルになれば音大に入れたり、ピアノの先生になれるかなど教えていただけないでしょうか

(小学6年生の母:りらっく)

「いいピアノの先生=演奏がうまい人」というわけではない

 私は音楽の専門家ではないので、音大職員や音大卒業生からうかがった話も交えて回答させていただきます。
 音大を目指す生徒のレベルの幅は大きいようで、小6でソナチネのレベルでも、その後の努力次第で音大に進学する例は多くあるようです。ただ、ピアノ科を目指す生徒であれば、ベートーヴェン、モーツァルトのソナタやショパンのワルツなどを弾くレベルにあることが多いようです。その意味では今後かなり頑張りが必要かもしれませんね。
 音大の入試ですが、武蔵野音楽大学ピアノ専攻の29年度入試要項を見ますと、実技試験で以下を暗譜で弾く必要があります。
  ・ショパンのエチュードから1曲
  ・バッハの平均律クラヴィーア曲集から1曲あるいはベートーヴェンなどのソナタ(第1楽章または終楽章)から1曲
  ・指定の20名の作曲家の作品から5〜10分程度で演奏できる任意の曲(複数曲可。ソナタからの楽章や組曲からの抜粋も可)
 このほかに、ソルフェージュと楽典、国語、英語、面接の試験もあります。
 また、先生になるレベルですが、これは一概には言えません。じつは世の中には音大を卒業していないピアノの先生も多く、必ずしも「いいピアノの先生=演奏がうまい人」というわけではないようです。というのも音楽教室を開くには、何か特別な資格が必要なわけではありませんので、音大を出たり、ヤマハなどのグレードを取得しなくても、個人で開くことができます。幼児教育科などを出ていて子供の扱いに慣れている、子供から人気がある先生などは、幼児に特化した音楽教室で音大生よりうまく経営している場合も多いようです。
 質問への回答からは外れますが、回答を書いていて改めて音大生ってすごいな! と思いました。私立の雄、早稲田や慶應でも入試科目は3〜4科目。それと比べ遥かに重い試験内容です。準備に何年も掛かりそうなことが、私でも見て取れます。音大受験は思いつきや付け焼刃の学習ではまず通用しそうもありません。だから、私が書いた本のタイトルではありませんが、『「音大卒」は武器になる』のでしょうね。

(2016.10.11)

音楽専攻か、音楽教育専攻か?

ピアノが得意です。音楽大学のピアノ科か音楽教育、一般大学の教育学部の音楽専攻、いずれかに進学したいと思っています。親やピアノの先生にもすすめられています。でも、どこを目指せばよいのかわかりません。違いを教えてください。大学卒業後のことはまだあまり考えていません。

(高校1年:のん)

まずは進路を狭めない方向で

 ピアノが得意と言えるのは素晴らしいですね。まだ高校1年生ですから、大学卒業後のことまで考えられないのはある意味当然ですし、これからもいろいろと考えが変わることがあると思っておいたほうがいいと思います。何せ高校生は心の伸び盛りですから。
 ご質問についてですが、今の段階では、できる限り将来の進路を狭めない方向で考えるといいのではないでしょうか。
 音楽大学のピアノ科であれば、演奏の道に進むにせよ、教育の道に進むにせよ、どちらも可能だと思います。音大のピアノ科を出て教員になる人は多くいます。教員免許は、半分以上の学生が取得するのではないでしょうか。
 一方、教育学部や音大の音楽教育科は、どうしてもまず「教育」があって、その一分野としての「音楽」になりますから、演奏関係のカリキュラムは少なくなりがちです。
 ただし、小学校の先生になりたい場合は、免許状を取得できる音大とできない音大があるので(ちなみに、武蔵野音楽大学は明星大学と提携し、取得可能です)、早めに取得可能な大学や学部を確認しておいたほうがよいでしょう。

(2016.9.02)

好条件で音楽教室講師に転職したい

音大卒業後いったん一般企業に就職したのですが、結婚を機に退社する予定です。将来的に、子育てしながらでも仕事ができるよう音楽教室の講師をしたいと思っています(週2、3日、数時間程度)。よりよい条件で働くためには、どのような準備をすればよいのでしょうか。

(音大卒・31歳:とと姉)

スキルを身につけ堂々と交渉を

 ご結婚されるのですか。おめでとうございます。
 さて、「よりよい条件で働くためには」とのことですが、それには自分を売り込むための+αのスキルを身に付けることではないでしょうか。
 「●●以外教えられません」という否定形では教えられる生徒も限られますし、レッスンの内容もつまらなくなりがちです。「▽▽ができる」「◇◇もできる」「さらに××もできる」というように、「できる」と自信をもって言えるものを増やすことが大切です。
 具体的な例としては、
・英語でピアノが教えられる
・自閉症などの障害のある生徒を教えるのが得意
・大人の教室で生徒が習いたい曲をその生徒のレベルに合わせて編曲できる
などはポイントが高いと思われます。
 あと、少し図々しいくらいの交渉力も持っていたいですね。音大の卒業生はそのあたりがじつに素直過ぎて損している場合があると思います。相手に言われるままではなく、「自分は●●ができるので、報酬については月謝の●●%でお願いできませんか?」くらいは言えるようにしておきましょう。
 音大生は小さい時から厳しくしつけられているせいか、おカネの話は“はしたない”のでできるだけ避けた方がいいと思う人が多い気がします。でも、しっかりとレッスンというサービスを提供する以上、それに見合う報酬を要求するのは当然のこと。決して“はしたない”ことではないので、がんばって交渉してみてください。

(2016.9.02)

先生の意見との食い違い

音大1年生の母です。本人は一般企業への就職も視野に入れていますが、先生から強く演奏家(大学院)への道を勧められているようです。どのようにアドバイスすればよいでしょうか?

(保護者:匿名)

学年ごとの目標を設定し判断してみては

 音楽大学の1年生であれば、まずは演奏をしっかり勉強してみてはいかがでしょう? そして、1年、2年、3年時の目標とする到達レベルをあらかじめ先生とすり合わせておくといいですね。
 先生が「演奏家になれる」とおっしゃるのであれば、そのためには最低限クリアすべき水準というものがあるはずです。たとえばピアノであればピティナのコンクール最上級に出演とか、ヴァイオリンであればメンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーの協奏曲は自由自在に弾きこなせるとか。そのような目標を学年ごとに設定し、3年次の到達度合いでプロを目指すかどうか判断してみてはいかがでしょう。
 声楽などは声が安定するのが20代後半から30代くらいと言われているようで、その道で生きて行けるかどうかの判断ができる時期が難しい場合もあるようです。ただ、30歳になってから音楽以外に方向転換をしたいと思ってもなかなか難しいでしょうから、私は、可能な限り、ある程度のめどは大学生のうちにつけた方がいいと思っています。

(2016.7.27)

演奏家志望でない場合の音大進学

高校の吹奏楽部でフルートを吹いています。できれば音大に入って本格的に勉強してみたいのですが、プロの演奏家になりたいわけでもなく、その後の進路が心配です。やはり一般大学を目指したほうがよいでしょうか?

特色のない大学より音大が有利

 ぜひ音楽大学でフルートを学んでみてはいかがでしょう? 何も大学で学ぶものと進路は必ず連動しなければならないものではありませんし、どのような学問や芸術であれ、その中にはさまざまな仕事に関係する多くの学びがあります。
そしてどうせ学ぶなら、興味のあるものを学んだ方が学びやすいのではないでしょうか。関心のないものを深く学ぼうとしても体の拒否反応の方が強いはずで、それでは良い学びはできません。大学時代は学びたいことを思い切って学んでみることをお勧めします。その先に、その道で才能が開花すればそのまま進めばいいですし、自分はその道では勝てないと思えば別の道に進めばいいのです。
 音楽に限らず、経済学、法学、商学、文学、美術――さまざまな学部・学科がありますが、その専門家になる人はごく一部。これまで音楽学部だけが「せっかく音大に入ったのだから音楽の道に」と思われていたことの方が不思議なくらいです。
ぜひ音楽での学びを通じて素晴らしい人格形成、人間力アップを図ってください。そうすればさまざまな道が開けてきます。
 あと、特色のない一般大学に行ってもそのほうがかえって就職には不安がつきまとうと思います。就活生は50万人以上いますが、人気企業上位100社の求人数はせいぜい3万人弱。東大早慶、旧帝大などの有力大学の学生数で4万人。多くの学生がこの数の中に埋没します(『目からウロコの就活術』p135−137参照)。それなら音楽大学などで専門分野にしっかり向き合った方が企業に対してもアピールできる人材になれると思います。

(2016.6.20)

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