目からウロコの就活術・キャリアQ&A
大内孝夫
就活に関するQ&A厳選は本書に収載!
Q.インターンシップには行ったほうがいいですか?
Q.外資系ってどうですか?
Q.OB訪問はしたほうがいいですか?
Q.就活に資格は必要ですか?
Q.業界(業種)はどうやって絞ればいいですか?
Q.就活サイトはどこを使えばいいですか? その他のおすすめサイトは?
Q.初任給より重要な30代、40代のお給料。どうやって調べればいいですか?
Q.財務データは重要ですか? どのように見ればいいですか?
Q.学業やアルバイトで忙しくて就活準備する時間がない。優先順位は?
Q.他の学生がやっていない就活準備でお勧めなのは?
Q.人気企業に採用されるコツは?
Q.不採用となる学生の特徴は?
Q.学歴や容姿に自信がない場合は?
Q.面接やグループディスカッションでは、何が重視されますか?
Q.面接で「最後に質問は?」と言われたら何か聞いたほうがいいですか?
Q.企業に入ったら出世を目指さなければなりませんか?
Q.やっぱり先生は本音では大企業が良いと思っているのですか?
Q.希望企業に採用されなかった場合、どうすればいいですか?
Q.希望企業で不採用。就職浪人や就職留年も考えたいのですが……
Q.複数の企業から「内定」! どのような基準で行き先を決めればいいですか?

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ホワイト企業の探し方を知りたい

これから就活を始めます。あまり高望みをするつもりはないのですが、ブラック企業だけは避けたいと思っています。求人票や求人広告、会社案内を見てもわからないし、一見優良企業のようでも内情は……という話もよく聞きます。ホワイト企業(?)の探し方を教えてください。

(音大3年生/白スニーカー)

数字で比較を。ただ、ホワイトならよいというわけでもない

 就活用の会社パンフレットや企業説明会は、実質企業の宣伝の場のようになっていますので、これらで企業の実態をつかむのは困難です。とても難しい問題ですね。
 「うちは営業といっても、しっかり先輩がサポートしてくれる」、「残業はそんなにない。予め申し出があれば、その日は残業せずに帰れる」などと説明を受けて入社してみたら、「いきなり〇〇市全域を担当させられ、毎日20件以上訪問させられている」、「残業がない、なんて嘘で毎日3時間くらいがサービス残業になっている」などという話は枚挙に暇がありません。

 私が就活生によく言うのは、「会社の説明を鵜呑みにするな」ということです。それには、数字で他社と比較してみる」、「いいことずくめの話ばかりする会社は信じない」という態度で臨むことが必要です。
 例えば過去5年で売上高が2倍になった会社で、その間に従業員数が1、2割しか増えていなければ、その会社の労働環境は厳しくなっている可能性が高いと思います。
 あるいは同じ業界の他社と比較して、従業員1人当たりの売上高(=年間売上高/従業員数)が極端に高ければ、何か問題がありそうです。逆に極端に低いと、初任給は同じ水準でも、将来のお給料の伸びは期待しにくいと思います。

 あと、ホワイトであればいいか、というとそれも考えモノです。
 例えば「うちは残業を一切させない」という会社があったとします。昇進や昇格は、実績で評価されますから、これでは「楽器練習は、全員1日1時間以上してはいけない」というルールで、実技試験などで競わされるのと同じです。これではもともと能力のある人や要領のいい人しか昇進、昇格、昇給の機会が得られませんよね。
 もちろん過度の残業を強いる会社は要注意ですが、残業を否定する会社では、元々の能力が高い天才肌の人にはいいかもしれませんが、私のように手が遅く、要領が悪くても時間をかけて努力することで成果をあげるタイプの人間が、仕事で天才肌の人に勝つのは不可能です。そうなると居心地が悪い気がします。また、企業同士は激しく競争しています。よほど能力の高い人ばかり集まっている会社でない限り、残業ゼロで生き残っていくのは難しいはずです。

 以上、申し上げた基本を押さえたうえで、大学のキャリアセンターや就職課には卒業した先輩たちのデータが多くありますので、相談してみるといいと思います。

(2017.11.30)

教員採用試験に失敗。就活か留年か?

教員採用試験の二次がうまく行きませんでした。教員になることしか考えていなかったので、業界や企業のことなどまったくわかりません。これから就活しても間に合いますか?(これから就活するにあたって何をすればいいでしょうか?) 無理なら学校に残って来年また教員を目指すことも考えています。

(教育学部4年/亀の手)

どれくらい強く教員になりたいと思っているかがカギ

 まず結論から。今年(2018年3月卒)の就活はいわゆる「売り手市場」だったため、中小企業を中心に、人材確保ができていません。上場企業などの有力企業は難しいですが、そのような企業であれば、今からでも就活は間に合います。実際、近年の事例でも、年明けや卒業ギリギリの3月に就職先が決まった例もあります。

 さて、「では、あなたはどうすべきか」という問題です。
これはひとえにあなたがどれくらい教員になることに強い思いを持っているか、にかかっていると思います。「どうしても教員になりたい」という強い思いがあるのであれば、来年再チャレンジすべきでしょう。
 その場合、学校に残る(留年する、という意味ですね?)ことは考えず、卒業した方がいいと思います。
 最近は正規教員が不足状態にあり、臨時採用教員に登録ないし応募をすれば、採用になるケースも多いようです。臨時採用教員として勤務しながら試験勉強を行うか、経済的な余裕があるのであれば、予備校などに通い、試験対策に集中した方が来年以降の合格への近道ではないでしょうか。

 一方、実はこれまであまり深く考えておらず、試験に落ちた現実を突きつけられて、教員への意欲が萎んでしまっている、あるいは来年試験に立ち向かう気力が失せている状態であれば、就活に切り替えるのもひとつだと思います。
 ここはよく考えて、自分の本心と向き合い、後悔しない選択をしてください。

(注)
自治体によっては、一定期間臨時採用教員として働くと、教員採用試験で免除科目などがある場合もありますから、志望自治体の試験制度はよく調べておくといいと思います。なお、臨時採用は登録していても、声が掛からないケースも多くあります。

(2017.11.30)



成績が中の下の音大生。一般企業で働く自信がない

大内先生はよく「音大卒は武器になる」と発言なさっていますが、私は、音大生(オーボエ専攻です)といっても演奏レベルは中の下くらいですし、練習も1日1時間程度で専攻の先生に怒られてばかりです。だからといって英語や他の教科の成績が良いわけでもなく、性格も根暗なほうですし、自己分析しても特にいいところが見当たりません。大学卒業後は一般企業に就職したいと思っているのですが、一般大学を出た人にまじってやっていけるものでしょうか? 自信がありません。

(音楽学部2年:ミケ)

一般社会で音大卒は武器になる。ポジティブに!

 私が「音大卒は武器になる」と言うのは、何も演奏がうまいと武器になる、と言っているわけではありません。音大生にとって演奏力はとても大事なのですが、一般社会で武器になるのは音大生活で培われる能力。むしろ演奏力以外の能力です。「せっかく音大で人生の武器になるくらい様々なことを学んでいるのに、演奏力ばかりに気を取られ、他の学びを武器にしないのはもったいないなぁ」と思っているからです。
 私は、音大での学びには、演奏力などの音楽の実力や知識のみならず、コミュニケーション力、ストレスへの耐久力、正確・丁寧さ、確認力など、一般の社会人が身に付けるべき社会人基礎力を養う力があると考えています。それは、まさに社会一般から必要とされるもので、それを活かす道は、音楽以外でもいくらでもあるはずです。
 ただ、それを生かすも殺すも、それは本人次第。しかもその社会人基礎力は、「好きな音楽」のために、生活のかなりの部分を費やして努力し続ける学生生活があってこそ得られるものだと思います。ですから、せっかく身に付くはずの社会人基礎力も、本人の音楽への取り組み姿勢が弱ければ、残念なものになりかねません。

 さて、ミケさん、少し結論を急ぎ過ぎてはいませんか? まだ2年生、これからどんどん成長していきます。私から見ると、まず「2年生で悩んでいる」ということがすばらしいことです。
 私も学生時代はそのひとりでしたが、大半の学生は時に流され、就活時期になって慌てて自己分析したり、何に向いているか、と思い悩んだりするものです。今、この段階でそれができている自分を、まず誉めてあげましょう。

 そして、少しポジティブ思考でいきましょう。
 成績はこれから頑張れば、どんどんよくなるし、オーボエだってうまくなります。私は、練習して成果ゼロの学生を見たことがありません。先日も3、4年生に「1年生の時と比べて演奏が下手になった人?」と手を挙げてもらう機会があったのですが、該当者は1人もいませんでした。ですから、少しずつでいいので前に進みましょう。
 あと、ご自身では根暗とお考えのようですが、根明であればいいというものでもありません。世の中はいろいろなタイプの人がいます。そして、人生を経ていくうちに根明の人が根暗になったり、その逆も起こるものです。
 ただ、ひとつ言えるのは、面白いもので、悪い方へ悪い方へと考えると本当に悪い方向に進んでしまいますが、何ごとも前向きに捉え、積極的に取り組めば結果は伴っていくものです。ですから、根暗を無理に直そうと考えるより、先ほど申し上げたように、少しポジティブに考えるよう心掛けてみてはいかがですか。そのためには、小さな目標でいいので、目標を立てて、計画的に物事を進めることをお勧めします。
 まだまだ学生生活は半分以上残っています。頑張れば、自ずと結果はついてきます。

 それと、一般大学の学生だって、実は多くの不安を抱えています。音大生は全学生の1%にも満たない希少性をアピールできますが、99%の中で、どう自分をアピールできるかは、彼らにとって深刻な問題です。
 私も正直、就活や社会人になった時、周りが優秀に思えて、この中でどうやっていけば生き残っていけるのか、見当もつきませんでした。自分への自信は、努力を重ねるうちに、自然と身に付くものなのかもしれません。

(2017.11.30)

音楽教室講師に向いてない? 転職すべき?

一般大学の音楽専攻を卒業し、○○○音楽教室で講師をして4年目なのですが、今年に入ってから退会者が相次ぎ生徒さんが3人だけになってしまいました。私はこの仕事に向いていないのではないかと思い転職も考えたのですが、他の仕事に興味がもてません。どうしたらいいでしょうか?(すみません、『「音楽教室の経営」塾』も読みましたが踏ん切りつかずに相談させていただきました)

(音楽教室講師4年目:Cis)

二通りのアドバイスをします

 Cisさんが現在置かれている状況が十分わからず、一概に「こうすべき」とお伝えするのは難しいので、二つの場合に分けてアドバイスしたいと思います。

 まず、ご両親などからの支援が受けられ、経済的に余裕があって音楽教室講師を続けられる場合です。
 なぜ退会したのか――今からでも退会者や保護者の方にうかがって原因を究明すべきです。それによって、至らなかった点が見つかったならばしっかり直しましょう。「生徒の退会が相次いだのは、自分が講師に向いていないからではないか」とお考えのようですが、やり方が悪ければ、向き不向きとは関係なく生徒は退会していくと思います。
 また、主宰者の先生または教室の責任者の方に、その教室で自分が果たせる役割を聞き、教える以外の仕事にも積極的に関わるといいと思います。
 具体的には、生徒募集のためにチラシ配りをする、体験レッスンを積極的に担当する、他の先生のレッスンのサポートや代替レッスンを積極的に行う、などです。生徒が少なくなっても、何とか教室のためになろうという気持ちが伝われば、信頼され、新たに任される生徒も増えるのではないでしょうか。
 『「音楽教室の経営」塾』でも繰り返しお伝えしていますが、自分にとっての「顧客」は何も生徒ばかりではありません。そして、「顧客にとっての価値」を考え、それを満たしてあげることが、顧客獲得の近道です。「勤務する教室も顧客」と考えれば、生徒が減って困っているのは、何もあなただけではありません。

 次に経済的に困まっていて、すぐにでもある程度の収入が必要な場合です。
 その場合は、企業への就活を行って、就職のめどが立ったらいったん音楽教室の講師を辞めて、採用してくれる企業で働くことをお勧めします。
 これは必ずしも「音楽教室の講師を諦めろ」、と言っている訳ではありません『「音楽教室の経営」塾』P.94〜101でもお伝えしている通り、一般企業に勤めて接客術や集客術、ITスキルなどを学んで、改めて講師をしたり音楽教室を開業する、という道もあります。

 最後にひとことアドバイスです。
 仕事には、確かに向き不向きや興味のあるなしがあるかもしれません。でも私の経験から言わせていただければ100%向いている仕事というのはまずありませんし、はじめは興味が持てなくても、頑張って取り組んでいくうちに面白くなる仕事というのもあるものです。
 多くの人が、ある程度の妥協というか、どこかで折り合いをつけながら働いているのではないでしょうか。少し厳しい言い方かもしれませんが、「生きていく=収入を得る」ためにはある程度の我慢も必要です。

(2017.11.30)


<Profile>
大内孝夫
1960年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。証券部次長、仙台営業部副部長、いわき支店長などを歴任。2013年より武蔵野音楽大学に勤務し、現在、就職課主任兼会計学/キャリアデザイン講師。日本証券アナリスト協会検定会員。宅建士(資格取得)。 著作に『「音楽教室の経営」塾』´◆◆悄峅斬臑粥疉雋錙廚砲靴晋汽瓮バンク支店長が贈る!大学就職課発!!目からウロコの就活術』(ともに弊社刊)のほか、『「音大卒」は武器になる』『「音大卒」の戦い方』(ともにヤマハミュージックメディア)、『金融証券用語辞典』(銀行研修社、共同執筆人)、『3日でわかる<銀行>業界』(日経HR、執筆協力スタッフ)など。現在、日経HR社「キャリアと就活 日経HR Labo」にて就活のトピックスを題材にコラムを連載執筆中。


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