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舟橋 三十子(ふなはし・みとこ)
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院音楽研究科修了。日本大学芸術学部講師を経て、現在、名古屋芸術大学大学院教授。作曲を池内友次郎、矢代秋雄、三善晃、永冨正之の諸氏に師事。ピアノを小林仁、舘野泉の諸氏に師事。
著書に『はじめてのソルフェージュ』全5巻、『ミュージック・トレーニング』全2巻(以上、全音楽譜出版社)、『クラシックの聴き方入門――名曲のスタイル分析 全80曲』『クラシックのからくり〜「かたち」で読み解く楽曲の仕組み〜』(以上、ヤマハミュージックメディア)、訳書にエドウィン・スミス、デービット・レヌーフ著〔オックスフォード・ミュージック・ワークブック〕『音楽の基礎練習』全3巻(カワイ出版)、ミシェル=オディル・ジロー著『シューベルトを歌いながら学ぼう』全3巻、『モーツァルトを歌いながら学ぼう』全2巻、『シューマンを歌いながら学ぼう』全4巻、ジャン・ピエール・クーロ著『音楽家への第一歩』全8巻(以上、パリ・A. ルデュック社)等がある。
「フォルマシオン・ミュジカル」ホームページ
http://www.formationmusicale.net/

舟橋 三十子

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フォルマシオン・ミュジカル 名曲で学ぶ音大入試の楽典』好評発売中!

第01回
2013年度 東京藝術大学入試問題より

Ⅱ. シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナティナD385 第2楽章
(実際の入試問題と解答・解説は、音楽之友社『音楽大学 短大・高校 音楽科入試問題集2013』77〜79、80〜82ページ参照。)

Ⅰ 入試問題解説

(1)終止の種類について
 「音楽の句読点」にあたるのが終止です。終止には、一般的に次の4種類があるので、これを覚え、できたら譜例をキーボードで弾きましょう。
 上記のシューベルトの作品はヘ長調ですが、譜例はハ長調で書かれています。

1.全終止

譜例

2.偽終止

譜例

3.半終止

譜例

4.変終止

譜例

譜例

注:これらの和声型を形作る諸和音は、原則として基本形です。

(2)非和声音について
 和音の構成音でない音を、非和声音と呼びます。
 非和声音には、次のような種類があります。
 この譜例も、ハ長調で書かれています。

1.経過音 2個の和声音の間を、音階的につなぐ音。(+印が経過音)

譜例

2.刺繍音 2個の同じ高さの和声音の中間にはさまれた隣接音。弱拍で用いられる。(+印が刺繍音)

譜例

3.倚音 フレーズの最初や強拍に置かれ、次に下接(または上接)した和声音に進む音。(+印が倚音)

譜例

4.掛留音 倚音が前の和音からタイで延長される場合の音。(+印が掛留音)

譜例

5.先取音 次に続く和声音の中の1音(または数音)が、和声進行に先行して現れる場合の音。(+印が先取音)

譜例

6.逸音 和声音に上接(または下接)した音。跳躍して次の和声音に進む。弱拍で用いられる。(+印が逸音)

譜例

 上記の非和声音以外に、連続刺繍音、同時刺繍音、連続倚音、同時倚音、同時掛留音、保続音などがあります。

Ⅱ 応用問題

シューベルトの作品は、和声が分かり易く、曲自体も短いので、楽典やソルフェージュの教材として適しています。
一例として、ゲーテの詩に作曲された有名な歌曲《野ばら》の一部を取り上げてみます。この作品は、ト長調で書かれています。

 次の譜例から、歌に書かれている非和声音を指摘し、その名称を答えましょう。
 経過音はカ、刺繍音はシ、倚音はイ、掛留音はケ、逸音はツ、先取音はセと、カタカナで答えましょう。

 また、6小節目からは二長調に転調しており、その調の終止が10小節目に置かれています。(  )にあてはまる和音記号と終止名を答えましょう。

譜例

 

解答

譜例

★音楽之友社『名曲で学ぶ音楽の基礎 II 』21〜26ページでも、《野ばら》に関するフォルマシオン・ミュジカルの問題が多数載っていますので、参考にしてください。

ご紹介した本
音楽大学・短大・高校音楽科入試問題集 2013年度

音楽大学・短大・高校音楽科入試問題集 2013年度
音楽之友社 編

2014年度入試を受験する音大・短大・音高志願者のための過去問集。編集部の依頼に応じて公表された国公立大学32、私立大学30、短期大学12、高等学校51校の2013年度入試問題を一挙掲載。楽典や聴音・視唱課題、和声や作曲課題のほか、即興や伴奏付け、難関校の国語、英語、小論文までを網羅。『音楽大学・学校案内2014年度』に発表が間に合わなかった、東京藝大、愛知県芸大、京都市立芸大、東京都立総合芸術高、桐朋女子高、京都市立京都堀川音楽高など、主要校の2014年度課題曲も併せて収載する。巻頭特集「入試の疑問、不安を解消します! ここが知りたい! 音大入試Q&A」〈管楽器専攻編〉では、主要私立大学8校で実際に実技試験の試験官を務めた経験をもつ先生方にインタビュー。

フォルマシオン・ミュジカル 名曲で学ぶ音楽の基礎 II 楽典・ソルフェージュから音楽史まで

フォルマシオン・ミュジカル 名曲で学ぶ音楽の基礎 II 楽典・ソルフェージュから音楽史まで
舟橋三十子 著

フランスで行われている、名曲やよく知られた曲をテキストにして、音楽を多角的な面から考え、真の音楽家が身につけるべき広い教養と高い音楽性や創造性を目指す学習方法――この考え方は“フォルマシオン・ミュジカル” (Formation Musicale)と呼ばれている。本書は、フォルマシオン・ミュジカルを今の日本の現状に合わせて、幅広い視点から音楽を捉えるという考え方に基づいて構成された問題集。全2巻。IIは上級。
「ソルフェージュ」「楽典」「楽式」「和声」「音楽史」など、音楽に必要な基本が身に付く。さらに発展した知識と教養を身に付けるために、各曲(章)の終わりに「コラム」を設けた。オーケストラ、ピアノ曲を中心に、声楽・合唱、室内楽、協奏曲も収載。

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